僕だけが知らぬ街

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本当にあった怖い話〜Language Exchange編〜 その2【カナダ編】

おはこんばんちは、ひろとです!

今回は前回に引き続き、本当にあった怖い話~Language Exchage編~の後編をお送りしたいと思います。

 

 

 

回までのあらすじ

 

2014  カナダ バンクーバー

 

英語の習得に日々邁進中だった筆者は、偶然Language Exchangeの存在を知り、パートナー探しを開始する。

ほどなくして1人のカナディアン男性、ドレークとの接触に成功し、実際に会ってみようと試みるが、この国のバックグラウンドを多少なりとも理解し始めていた筆者は、相手が同性愛者なのではないかという一抹の不安を抱えていた。

 

そんな不安とは裏腹に過ぎていく日々、近づくXデー。

いざ、集合場所へ向かった筆者を待ち受けていたのは、事前に仕入れていたプロフィールとは似ても似つかない人物であった。

 

見知らぬ人物、鳴りやまぬ電話

目の前に広がる信じ難い現実に目が虚ろになる中、ドレークはおもむろに一枚の写真を取り出すのであった。

 

写真に写された手紙が告げる真実とは。

 

筆者の抱いていたきな臭さが確信へと変わるとき、違和感は一気に恐怖へと変わる。

 

そして、その時筆者は何を思うのか。

 

前編はこちらから!

hiroto901219.hatenablog.com

 

それでは後編スタートです!

 

 

 

 

会話も一段落したところで、彼は見て欲しいものがあると言い出した。

突然なんだろうとは思ったが、特に気にも留めず、私はそれを承諾した。

彼はポケットから携帯を取り出し、何やら画像を探し始めた。

どうやら、保存してある写真を見せたいらしい。

 

ここで急に妙な緊張感が感じられたのは、今思えば気のせいではなかったらしい。

が、この時の私は知る由もなかった。

まさに、後の祭り。

覆水盆に返らずとは、このことである。

 

3分は経ったであろうか。

少しの沈黙を置いて、彼は一枚の写真を見せてくれた。

そこには日本語でかかれた一枚の手紙がかろうじて見て取れた。

 

ここからは実際の手紙を忠実に再現しながら、お送りする形を取ることにする。

この日、私が味わったリアルな感情を臨場感たっぷりに味わっていただければ幸いである。

 

 

えりちゃんへ

 

久しぶり。

毎日元気に過ごしていますか?

こちらは変わらず、元気に過ごしています。

聞くところによると、まだいろいろと悩んでいるようですね。

私はあなたが思うように行動するのが結果的にベストな選択になるのだと思います。

だから、どの選択が正しいかもう一度よく考えてみてね。

 

 

ここで私は、今回の自分の役目をようやく理解した。

どうやら、これは日本にいる女性に充てた手紙のようである。

見た目は普通のおじさんだが、遠距離恋愛をしているとは隅におけない奴である。

国境を超えた遠距離恋愛という、ピュアに相手を思い続けなければ成し得ない愛の形を見せつられた私は、ある種の尊敬と憧憬の念を彼に抱きつつも、同時に彼にかかっていた疑惑も晴れたことに安堵する。

どうやら彼はガールフレンド持ちの異性愛者ようだ。

 

安堵に胸を撫で下ろしたところで、もう一度手紙に目をやる。

要するに、私はこの文章を添削すればいいようだ。

初対面のおじさんが書いた、ラブレターのようなものを添削しているこの状況に軽く戸惑いながらも、私は次の文へ目をうつした。

 

 

ところで、最近彼とはどうですか?

実のところ、ドレークに関して心配事がいくつかあり、今回筆を執ることになりました。

 

前回送ってくれた手紙の内容を察するに、えりちゃんはドレークから暴力を受けたり、家から締め出されたりしてるわけだよね?

昔は恋人だったのかもしれないし、今も彼のことを大事に思っているのかもしれないけど、今の彼のしていることはストーカーと変わらないんじゃないかな?

そんな人は今後えりちゃんに何をするかわからないんだから、今すぐ彼から離れるべきだと私は思うよ。

あと、この手紙の内容は絶対にドレークに見られてはダメだからね。

 

それから、パスポートやお金、クレジットカードなどの貴重品は即刻、ドレークの知らないところに移すべきだよ。

心配しすぎかもしれないけど、用心にこしたことはないからね。

最後に、バンクーバーに私の友達がいるので、これ以上何か事態が悪化する場合は私の友達に助けを求めてください。

Mike 078-×××-×××

 

もちろん、何かあれば私にも相談してね。

えりちゃんの幸せを日本よりお祈りしています。

 

さちこより

 

 

 

 

………ん?

 

 

 

私は焦りを隠せなかった。

ルー大柴さん風に言うところの、コンフューズ状態である。

 

 

心の声

え、は?なにこれ?

え?ちょっとまって。

まず、俺の目の前にいるのはドレークだよね?

で、さちこよりってことは‥‥

え、これはドレークが書いた手紙じゃないってこと?

ってことはドレークは差出人でもなければ、受取人でもないよね?

うーん、待てよ、なるほど

要するにさちこさん(差出人)がドレークからえりちゃん(受取人)を助けるために書いた手紙ってことか?

それをドレークが見つけて、勝手に写真に収めてきたってことなのか?

 

 

もし、この時の自分の脳内を何かの擬音で表現するとしたら、それはまさにプシュウという音がしっくりくるだろう。

いわゆる、思考回路がショートしそう、な状況である。

それこそ、美少女な戦士達が月に変わってお仕置きをする、某有名アニメのオープニングテーマの冒頭の一節にもあるような、まさにそんな状況である。
 

「ああ、あの歌はこのような状況のことを歌っていたのか。」

私は現実を理解できないがために、半ばよくわからないことを考えていた。

そんなこと思っていると、ドレークが一言こういった。

 
 

Please translate!

(訳してくれ!)

 
 

ひろとは目の前が真っ暗になった。

 
 

これは、かつてゲーム内に出てくる全てのモンスターの名前を、ただただひたすら羅列する斬新極まりない歌が流行ったことでも知られている、某有名ゲームの手持ちのモンスターが全滅してしまった時に出てくる一節である。

「ああ、あの表現はこういう時に使うんだ、なるほどねー!」

私はまだ混乱状態から脱せずにいた。

 
 

私が特に訳さず、黙っているとドレークは少し痺れを切らしたように、英語訳を急かしてきた。

私はようやく自分の脳みそが回転し始めたことを確認し、どうこの状況をくぐり抜けるか、その一点にのみ集中し、思考を続けた。

そして、私の脳みそが叩き出した答えはこうだった。

 
 

Oh this is too difficult for me to translate! haha

(この文章は私には難し過ぎてうまく訳せないよ!)

 
 

このセリフをバカみたいに4回ほど繰り返し言った。

 
 

My English is so bad.

I'm really sorry.

(私の英語力はひどいんだ。申し訳ない。)

 
 

営業マン時代に培った満天の愛想笑いを顔に浮かべなから、偽りの謝罪を深いお辞儀に込め、それを4回ほど繰り返した。

このようなところで、あの頃の経験が活きてくるとは、人生何がどう役に立つかなんてわからないとはこのことだなと、半ばこの状況を俯瞰できるほど、私は冷静さを取り戻しつつあった。

 
 

幸いなことに、ドレークの日本語力はそこまで高くなく、翻訳を頼むくらいなので手紙の文章をまったく理解できていないように見受けられた。

私はとりあえず、ファーストパラグラフまで忠実に訳すことにした。

ただ、これ以上は踏み込んではいけないエリア。

まさにアメリカのエリア51のごとく、踏み込んでしまったが最後、二度と出てくることはできない、ということは百も承知であったため、ここからは抽象的なニュアンスのみを伝えることにした。

 
 

''さちこさん(差出人)はえりちゃん(受取人)へ毎日を楽しく、より良い生活を送るためにいくつかアドバイスをしているよ。''

 
 

要は物は言いようなのである。

私は事の真意に何重ものオブラートを重ね合わせ、中身が見えないくらいにすっぽりと包んでしまった。

無論、私は嘘をついてはいない。

 

ドレークは自分の偽りの表現に深く頷き、感謝の意を述べた。

私は今までにないほどの偏った笑みを浮かべながら、彼の握手に応じ、半ば強引に別れを告げた。

 

別れ際、彼は言った。

 
 

Let’s meet sometime soon.

There is one more letter I want you to see.

(また近いうちに会おう!もう一つ見てもらいたい手紙があるんだ!)

 
 

私は大きな声でsure!と言いながら、右手にthumbs-upのサインを作り、彼に見えるよう、高々と掲げた。

彼も満面の笑みを添えて、同じようにポーズを決めてくれた。

 

彼の満面の笑みとthumbs-upサインが冬の寒空に消えたことを確認し、私はそそくさと自らの携帯を取り出した。

そして、彼の電話番号を選択し、着信拒否リストへそれを加えた。

これで彼からの着信がくることもないだろう。

 

自分の右手で作ったthumbs-upサインの余韻を一瞥し、はあと溜息が出る。

気分はさながらthumbs-downである。

 

帰路につくために地図のアプリを開く。

見知った街の一角で起きた出来事のはずなのに、今日一日はなんだか知らない世界に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚えるほど、普段の日常とはかけ離れた時間を過ごした気がするのは、気のせいではないだろう。

そのくらい非日常的な出来事に出くわしたのだから、致し方ない。

 

と、ここで遠くの方から彼がこちらを振り返りながら何かを叫んだ。

 

See you soon.

(また会おう!)

 

私は大きく手を振りながら、できるだけ満面の笑みを作る以外に、特に何かを応えるようなことはしなかった。

無論、彼と会うことは二度となかった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

いかがだったでしょうか?

2回にわたってお送りしてきました、本当にあった怖い話~Language Exchange~もこれにて完結です。

 

ここで、軽く蛇足を。

あれから、彼と会うことはなかったのですが、webサイトを見るに彼が今もExchangeのパートナーを探しているのはたしかなようです。

 

一応、別のカナディアンの友達に警察に相談すべきか尋ねてみると、これだけでは相手にされないとのこと。

多少の心残りはありましたが、成す術はないようでした。

 

今回の例はおそらく極稀のケースだと思いますが、Language Exchangeはこういった可能性もはらんでいるということをぜひ理解しておいてください!

 

もちろん、良い出会いもあることはお忘れなく!

 

ということで、今日はここまで!

 

 

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